NUOCW 20周年記念
2025年12月に「名大の授業」NUOCWは設立20周年を迎えます。
そこで、今回はNUOCWの立ち上げメンバーの一人、山里先生にインタビューをしました!
設立から今後の展望まで、幅広いお話をお聞きしました。
山里先生の写真
事前知識:OCW(OpenCourseWare)とは
米国マサチューセッツ工科大学(MIT)が2001年4月に開始した取り組み。講義ノート、課題、試験、参考資料などの教材をデジタル化し、インターネット上に無償で提供していく活動。日本では2005年から徐々に広まり、名古屋大学は2005年12月27日から「名大の授業」NUOCWの外部公開を開始した。
NUOCW設立の背景について教えていただけますか?

2004年の11月にMITの宮川繁教授から名古屋大学にOCWへの参加要請があり、これをきっかけに検討が始まりました。その後、当時の教育担当の副総長を経由して、僕のもとにもお話が来ました。ただ、教材を無償公開する意義に加えて、名古屋大学にとってどのような価値が創出されるのかを見出すのが課題でした。また、設立にあたっては当時の総長先生の名前でMITとの覚え書きを結ぶ必要があって、そのためには執行部への説得材料を準備しなきゃいけない。時間との戦いでした。

当時、僕は准教授でこの分野の第一人者という訳ではなかったんです。「できるんかいな」って思ってましたね(笑)。総長がゴーサインを出してくれるか分からないまま動き始めなきゃいけないっていうのは、本当に大変でした。

設立の準備がかなり進んだタイミングで、当時の平野総長が、他の大学と違う名大のオリジナリティを盛り込むこと、という条件つきでOKを出してくれたんです。そこで、僕たちは名大独自のコンテンツを3つ入れることになりました。

インタビューの様子
NUOCWの特色ということでしょうか?詳しくお聞かせください。
1つ目は「授業の工夫」。これは文字通り、先生が講義で実践されている工夫を紹介しています。勉強したい人のため、というよりは他の先生のためのメッセージになっています。このような形での、教員同士の交流を期待したコンテンツです。2つ目に「1分間授業紹介」のビデオ。これは先生が自分自身の言葉で授業紹介しているのを見ることができるというのがいいんじゃないかなと思い、加えることにしました。3つ目に「部局長推薦」。掲載する授業教材は学部長の先生方に推薦してもらっています。これによって掲載する授業教材に部局長のお墨付きを与える。この3つは、設立の時からずっとやっている、他にはない特色だと思います。
NUOCW資料
他大学のOCWと比較して、NUOCWという組織自体に特色は何かありますでしょうか?
NUOCWのウェブサイトは、デザイン作りから実装、さらにシステム周りまで全部、学生スタッフの皆さんに作ってもらっています。他の大学のOCWでも、サポートとして学生スタッフが入っていますが、例えばウェブサイトの製作・運営には業者が入っています。うちには基本的にそんなお金がないので(笑)、もっぱら学生スタッフの手作りです。学生の皆さんは優秀だから任せるのが一番いいのかなと思っています。ウェブサイトを協力して作り上げる経験が、学生の皆さんの役に立っているといいんだけれどね。
学生スタッフとの写真
学生スタッフ側から見ても運営側から見ても、まさにWin-Winの関係ですね。先生自身がOCWで今後実現したい新しい取り組みはありますか?
これは僕というより学生スタッフの皆さんにぜひ考えてほしいですね。NUOCWの強みは学生スタッフが中心となって運営しているところ。だからこそ、学生の皆さんがやりたいことを実現できる場であってほしいと考えています。
学生がやりたいことを考え、実行できる環境をつくっていただいていると実感できました。お忙しい中お話を聞かせていただきありがとうございました。

参考資料

後日山里先生からご提供いただいた、設立初期のOCWのパンフレットです。当時の様子が感じられるものですので、興味を持っていただけたらこちらもご覧ください。

「名大の授業パンフレット(2007)」(PDF)