




授業の目的
セミナーのテーマ:今日の学校教育問題についての考察を通した言語スキルの獲得
大学教育の導入科目として、今後大学で学習するうえで必要となる、読む、書く、聞く、話す、さらには発表する、討論するといった言語スキルを培うことに特に主眼を置いています。その際に、今日の学校教育問題を共通するテーマとして設定します。また、大学生活を過ごすうえで重要であると言える対人関係スキルの習得も合わせて狙いとしています。
講義概要
本授業は、大学で学ぶうえで必要なスキルの基礎の修得に加えて、受講生同士の相互交流を目的として実施しました。また、本授業には、附属学校から、基礎セミナーの1クラス当たりの受け入れの上限に当たる3名の附属高校生が参加しており、前年度の附属学校長から3名を受け入れている基礎セミナーは2017年度は本授業だけである旨を予め伺っていましたため、高校生と大学生の交流も授業の重要な柱としました。
授業内容は、オリエンテーションならびに自己紹介を行なった初回と、授業の感想の発表ならびに親睦会を行なった最終回のほか、4つの領域に分かれます。
第1は、基礎セミナーの場で初めて出会う受講者同士の人間関係づくりを意図したゲームです。具体的には、コンセンサスゲームの代表格である「若い女性と水夫ゲーム」ならびに「NASAゲーム」や、二択~四択の中から相手の好きなものを予想する「第一印象ゲーム」で、2つないし3つのグループに分けて実施しました。基礎セミナーは大学教育における導入科目の役割を果たすことから、「若い女性と水夫ゲーム」の回には価値観の多様性を認めること、「第一印象ゲーム」の回には思い込みや偏見に左右されないこと、そして「NASAゲーム」の回には他者との意見交流の重要性を理解することといったように、ゲームの内容を基にして大学での学びの役割についても簡単に話をしました。
第2は、大学での学びに求められる柔軟な思考力や発想力を涵養することを意図とした、ポール・スローンによって考案された「水平思考ゲーム」です。受講者を3つのグループに分けてグループ対抗形式で行いました。2講目には、受講生の1人にいくつかの問題を持ってきて頂き授業担当者が解答者側に回るという機会も設けました。
第3は、ディスカッションです。ディスカッションが大学での学習方法の根幹の一つをなすことからその修得を意図して行ないました。ディスカッションのテーマは、授業担当者の専門が教育学であることに加えて、学部を越えて議論しやすい(加えて高校生にとっても議論しやすい)ことから学校教育とし、具体的には、いじめと道徳の教科化を取り上げました。なお、ディスカッションのための素材として、1回目は一般的な文献を、2回目は主張がそれぞれ異なる4つの新聞の社説を用いました。
第4は、各自が設定したテーマに従って調査・研究を進めていった成果についてのパワーポイントを用いたプレゼンテーション(大学生17分程度、高校生12分程度)です。自分自身で調査・研究を行なうことが大学での学びの基本であることから、その練習を意図して実施しました。授業担当者の専門の関係から、教育問題をテーマとして取り上げることを基本路線として提示しましたが、特に調査・研究したいことがある場合はその限りではなく自由に設定して頂きました。なお、各自の調査・研究に資することを目的として、4講目には図書館における文献検索実習を図書館の職員の方に実施して頂きました。
教科書
特に指定しません。
参考書
特に指定しません。
成績評価
プレゼンテーション(40%),授業への取組状況およびディスカッションへの参加貢献度(60%)で評価します。
履修取り下げ制度を採用します。

最新年度の講義と内容が異なる可能性がありますのでご注意ください。