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開講部局:理学部・理学研究科
神山勉 教授
最終講義ー生体エネルギー変換タンパク質の構造解析
授業時間: | 2016年度退職記念講義 |
日時 : | 2017/3/6 11:00-12:00 |
場所 : | 理工学部南館、坂田・平田ホール |
定年退職にあたり思うこと
1994年に理化学研究所から理学研究科に異動してきました。学部と大学院での勉学・研究生活も含めれば、名古屋大学には32年の長きに亘りお世話になりました。自由な雰囲気の下で研究を続けさせていただき、心から感謝しています
振り返ってみますと、新しい場所に移るたびに研究テーマを大きく変えてきました。名古屋大学に赴任した時に掲げた研究テーマは膜タンパク質の反応状態の構造解析でした。当時の私にとっては目新しい実験手法・解析技法を習得し、さらに発展させる必要がありました。それを短期間に可能にしてくれたのは共同研究者としての大学院生諸君でした。難しい課題にも怖気づくことなく、アイデアを絞り出して前進する若者の姿に励まされ、ユニークな研究を展開することができました。
「若者の邪魔にならないように振る舞いなさい。」という餞の言葉を理研時代の先輩から頂きましたが、その意味合いを定年間近になり理解できるようになった気がします。自由闊達な雰囲気というのは、若者の潜在能力を引き出すのに非常に大切なことなのでしょう。もちろん単なる放任主義では問題が生じるのは必然でしょうから、指導する側も一緒に走り続ける姿勢を常に見せないといけません。この観点から少し気になるのは大学教員の多忙化が進んでいる現状です。このような試練が克服され、教員と学生が自由に語りあうことにより益々活気あふれる大学になることを願っています。