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課題
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辞書
語学を学ぶには辞書が必要なことは勿論ですが、最初は必ずしも必要ではありません。ロシア語は語形が複雑に変化しますので、語の形を辞書で引いてもそのままの形では辞書に出ていないことが多いのです。初学者はこれで嫌になるかも知れません。従って、文法が少し分かりかけた段階で辞書を使えばよいでしょう。それまでは自分で簡単な単語帳を作っておけばよいのです。
この十数年ほどに二冊の大きなロシア語辞典が出版され、そのどちらも学問的に立派な辞典です。また語彙の数もかなりなものですので、ロシア語の関係者は恵まれた状況にあるといえます。次の辞書がそれに当たります。
(1)「研究社露和辞典」(研究社):この辞典は語彙数26万語と我が国最大の辞書です。語彙数だけでなく文法事項や例文・用例、慣用的表現などが豊富に載せられており、これ一冊あれば他のロシア語の辞典は必要ないほどのものです。また語彙数の多さから、理工系の専門分野の語彙も豊富に載っています。
(2)「岩波ロシア語辞典」(岩波書店):この辞典は前記の辞典より語彙数は少なく、13万語ぐらいのものです。しかし研究社の辞典より後に出版されたこともあり(ソ連邦の崩壊の後です)、比較的新しい語彙が載っています。また研究社の辞書と同じ大きさにも拘わらず、語数が少ないだけに辞書が見やすくなっています。勿論、文法的な項目や例文等もしっかりしていますし、何よりも全体的に洗練されています。語彙数の点でもかなりなレベルのロシア語を読むにも不足はないようです。
(3)「博友社ロシア語辞典」(博友社):この辞書は改訂版が出て新しくなりました。辞書の語彙数は6万語ぐらいです。この数は初級・中級者に丁度良い語彙数ですし、例文も初級の人にはわかりやすいものです。また簡単な和露語彙集が付いていますし、各単語に発音記号が表記されています。編者の故木村彰一先生は日本のスラヴ学の創始者でもあった人なので、学問的にも信頼に値する辞書になっています。また大きさが丁度良く、大学に持ってくるのにも問題はないでしょう。大きさと内容が初級者にはぴったりとした辞書はロシア語に関してはこれしかありません。
(4)「コンサイス露和辞典」(三省堂):昨年新しい版になりました。コンパクトな中によくこれほど多くの内容を入れたものだと関心してしまうほどです。今まで不完了体を見出しにしていた動詞を他の辞書と同じ方式に変えました。語源の項目があります。良い辞書ですが、ロシア語のできる人が携帯するタイプの辞書ですので、初級者には勧められません。
(5)「パスポート初級露和辞典」(白水社):これは学習辞典です。語彙数は7千語です。大きな特色は、各単語にカタカナの発音と重要単語には文法解説が記されていますし、また二色刷りになっていて見やすいところでしょうか。
(6)「ロシア語ミニ辞典」(白水社):ハンディな2万語弱の語彙を納めた露和と和露が一緒になった辞書です。各単語にカタカナの発音が表記されています。これには例文がありません。旅行等の目的で持っていくには便利な辞書ですが、学習者には勧められません。
一人でロシア語を学ぶための参考書
参考書は初歩のロシア語に関してはたくさんありますので、ここでは私が推薦できるものを若干挙げておきましょう。
(1)「必携ロシア語変化総まとめ」(レシュカ、ベセリー著、白水社):著者はチェコの人です。ロシア語の名詞や形容詞、動詞等の変化がまとめてあり便利です。
(2)「現代ロシア語文法」(城田俊著、東洋書店):教科書形式で独習できるようにロシア語文法を一通りまとめた本です。
(3)「テーブル式ロシア語便覧」(和久利誓一著、評論社):非常にコンパクトにロシア語文法全体を「テーブル式」に詳細にまとめた本です。学問的にもかなり高度な内容があります。
(4)「ロシア文法」(八杉貞利、木村彰一著、岩波書店):一昔前のロシア語の文法書ですが、記述がすばらしく、一通り文法を終えた段階でこれを通読するとロシア語文法が体系的な知識として頭に入ります。日本ではこれを越える文法書は今でも出版されていません。残念ながら今では絶版のようですが、図書館にはありますので参考にして下さい。
(5)「しっかり学ぶロシア語」(前木洋子著、ベレ出版):ロシア語の初歩を独習する人のために書かれたものです。各課の基本例文、文法の説明のなかの重要な活用の変化などが収録されているCDが付いていて便利です。
(6)「ゼロから始めるロシア語」(長野俊一著、三修社):ロシア語は語尾変化が多いので、少しずつ変化のパターンを習得できるように構成してあります。例文もたくさん盛り込まれていますので、基本テキストとともに声に出して読むことは大切です。

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