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開講部局:環境医学研究所
錫村明生 教授
最終講義 - グリア細胞から見た神経免疫学
授業時間: | 2014年度退職記念講義 |
日時 : | 2015/3/13 15:30-17:00 |
場所 : | 環境総合館1階レクチャーホール |
定年を迎えて
2001年に環境医学研究所教授に赴任し、あっという間に14年が過ぎた。1975年名古屋第二日赤病院で研修医を初めてはや40年である。当初は将来研究畑を歩き教授で定年を迎えるとは想像すらしなかった。漠然と神経内科を希望し、第二日赤を研修先に選んだことが私にとって最初の幸運であった。そこで神経内科の奥深さ、面白さを教えられ、将来は神経内科の臨床医として働くつもりであった。それが狂ったのは、第一内科帰局初日に、免疫をやるようにとのお達しを受けたことによる。参考書を片手に実験を開始したものの、毎年の研究会でさんざんにたたかれ、専門家のもとでトレーニングの必要性を思い知らされ留学を決意し、1983年にペンシルバニア大学神経内科へ留学した。当時のペン大は神経免疫学の専門家がとても友好的に共同研究をしており、駆け出しの私もその輪に入れてもらうことができた。ここで始めたのが神経系の細胞培養を用いて、神経の側から免疫系を見る研究で、これがその後のライフワークとなっている。
1987年に帰国後、藤田保健衛生大、奈良県立医科大でも神経内科臨床の傍らグリア細胞の研究を継続することができた。環境医学研究所に赴任後は、病態でのグリア細胞の役割、神経変性疾患における免疫性機序の研究を続け、治療薬の候補の作成にも成功した。充実した満足の定年であり、同僚諸氏に感謝している。