



開講部局:教養教育院
藤吉好則 特任教授
細胞の構造生物学
授業時間: | 2013年度後期木曜1限 |
対象者: | 農学部・情報文化学部(自然)・医学部・理学部1年生 |
はじめに
ヒトを分子レベルから理解することができると、本当に「分かった」と思えるので楽しいし、創薬などの応用的な観点からも興味深い。このような学問分野を言い表すために、「構造生理学」という言葉を使っている。この言葉は、あまり一般的ではないので、授業の科目名としては、「細胞の構造生物学」としている。ヒトは細胞が多く集まって形作られているので、分子レベルからヒトを理解するためにも細胞について基礎的な知識を学ばなければならない。そして、細胞を分子レベルから理解しようとすると「細胞の分子生物学」を学ばなければならない。これは、世界的に最も多くの生物分野の学生が勉強している教科書のタイトルである。この最も基礎的な部分を構造的な視点から見直すことによって、「細胞の分子生物学」を構造から深く理解できるようにしたい。生物学を「なるほど」と思えるようなレベルで理解できるようにすることによって、構造生理学という分野を楽しんでほしいと思っている。
授業の工夫
多くの素晴らしい教科書が作られているが、現状では、ヒトを分子レベルから理解する上で「なるほど」と思えるような、日々新しく加わってきている知識も含んだ最新の情報から解説している教科書は存在していない。それゆえ、まだ教科書にも書かれていない最新の論文からの情報をできる限り含んだ授業としたい。「細胞の構造生物学」では、分子の構造が重要で、構造を示す図が大切である。それ故、最新の論文などから作製したプリントを毎回配布する。その場合に、複雑な分子の構造をできる限り理解しやすく表示するには、カラーの図が大切であるので、配布する資料はカラーの図を中心とする。
講義の中心的な内容は、分子生物学におけるセントラルドグマとされるNDAからRNAの転写とその制御、そしてタンパク質の翻訳などの分子機構について以下の1課題あたり1〜2週程度で授業を行う。
1.細胞の構造と生物
2.分子生物学の中心命題
3.核酸の構造と機能
4.原核生物と真核生物の転写制御機構
5.ヒストン、クロチンの構造と機能
6.RNAポリメラーゼと転写機構
7.リボゾームの詳細な構造を含む翻訳機構
8.分子レベルから観た脳の機能
9.構造生理学の現状
なお、記憶を助け、理解を深めるには、目で読むだけでなく、手を動かして実際に自分でノートをとることが大切である。それゆえ、配布する資料には詳しい解説は載せないで、基本的に図を中心とした資料としている。これらの図を参考にしながら、授業を聞いて自分でノートをとり、メモを書いてほしい。
授業を受けている全員がどの図を見ればよいかを示すために、パワーポイントを使って図を示しながら授業を進めるが、必ず黒板(白板)に板書するので、それを書き写すとともに、話す内容もできる限り書き留めるようにしてほしいと考えている。
講義で話したい内容は、基礎的なレベルから、最新の情報まで膨大である。しかし、できる限り良いノートを各自で作ってもらえるように努力したい。

最新年度の講義と内容が異なる可能性がありますのでご注意ください。