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開講部局:文学部・文学研究科
江村治樹 教授
最終講義 - 中国古代都市の実像を求めて—文献史学と考古学の間で—
授業時間: | 2011年度退職記念講義 |
日時 : | 2012/3/6 13:30-15:00 |
場所 : | 文学部237講義室 |
中国古代史研究に従事して
私は中国古代の歴史、とくに紀元前の歴史の研究という世間から見ると浮世離れしたような分野の研究を続け、学生、院生の教育に従事してきました。在任中には大病を患い方々にご迷惑をかけてしまいましたが、なんとか定年まで勤めることができたのは、よき師や同僚、研究仲間に恵まれたことによると思います。学部入学以来、いくつかの大学を転々としましたが、神戸大学では甲骨文字研究の大家、名古屋大学大学院では日本における中国中世史研究を理論的にリードした大家、そして京都大学人文科学研究所助手の時には世界的に知られた中国考古学の大家に直接教えを乞うことができました。大学を渡り歩くことの意義を自ら肌で感じました。
名古屋大学に赴任してからは、現在では考えられないことですが、若手の教官の研究環境に配慮されていて研究に相当程度集中することができました。大学において高度な教育を行うにはレベルの高い研究が維持できる環境を整えることが必要だと今でも考えています。在任中には中国出土文字資料や中国古代都市社会の研究を続けました。このような研究には考古学の素養が欠かせませんが、日本史でも西洋史でも古代史研究では今では当たり前になってきました。定年退職後もまだ科研費が使用できますので、しばらくは中国における都市遺跡調査を続けるつもりです。