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開講部局:工学部・工学研究科
谷本正幸 教授
最終講義 - 究極の映像メディアを目指して
授業時間: | 2011年度退職記念講義 |
日時 : | 2012/3/9 15:00-17:00 |
場所 : | IB電子情報館2階 大講義室 |
36年前のスタート
私は昭和51年3月に東京大学大学院博士課程を修了し、同年4月に名古屋大学に着任しました。大学院時代の研究分野は半導体デバイスで、実験室で白衣を着て超高速スイッチング素子の実験を行っていました。就職の時期になったとき、旧帝大に就職したい、寒いところは苦手ですと、贅沢なことを指導教授にお願いしていましたところ、名大電気教室からお誘いがあり、幸運にも採用して頂きました。名大電気教室では情報通信分野の人材を求めていました。現在ならば、この分野ですでに実績のある人を採用するでしょう。私には情報通信分野の実績は全くありませんでしたが、電気教室は面接で私を採用してくれました。これが、私の36年に亘る名大人生の始まりです。
着任後、私は映像情報に関する研究を始めました。研究室で年齢も余り違わない学生と一緒に悪戦苦闘した日々を懐かしく思い出します。当時、何の実績も装置もない研究室にやってきてくれた意欲あふれる学生たちは、現在、様々な企業のトップとして活躍しています。大学に残った私は、同僚、 後輩に恵まれ、日本のハイビジョン放送方式の候補となったTAT帯域圧縮方式や、世界の映像メディアの頂点に立つ自由視点テレビFTVを開発することができました。私を採用して頂いた電気教室に、少しはご恩返しができたのではないかと思うこのごろです。