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開講部局:工学部・工学研究科
佐藤一雄 教授
最終講義 - 単結晶シリコンを対象としたマイクロ機械理工学研究
授業時間: | 2011年度退職記念講義 |
日時 : | 2012/2/22 15:00-16:30 |
場所 : | ES総合館1階ESホール |
「よそ者」を受け容れる効用
私は、関東の企業研究所で24年のキャリアの後、それまでご縁がなかった名古屋大学にやってきて18年、自分で思い通り研究ができることを楽しみました。おかげで名古屋という街、その文化も知ることができました。
この短い期間でも、大学教授の仕事環境は大きく変わったと感じます。学生たちは授業以外で多くの知識をインターネットで簡単に手に入れることができ、世界中の研究者は英語論文でフラットな土俵上で競争し評価される時代になりました。これは同時に、分野の垣根を越え、国境を越え、これまでの「よそ者」と協力関係を結ぶのを容易にしました。私の専門である機械工学とは異分野の、化学・物理の専門家との協働、海外との共同研究など、異質なグループとの交流は「マイクロ・ナノ機械理工学」という新しい分野の開拓に大いに役立ちました。企業で過ごした職業生活の24年は無駄でなかったと思います。
ひとところに定着して仕事を極める人もあって良いですが、異質な人たちがもっと高い割合で混ざると、名古屋大学はさらに面白い大学になると思います。これから、学生・教員ともに海外からやってくる人たちが益々増えることは間違いなく、彼らを受け容れて名古屋大学の文化がこれからどう変わるのか興味と期待をもっています。
やりがいのある職業生活の場を与えてくれた名古屋大学、 同僚諸兄、活動を支えてくれた産業界の方々、研究室スタッ フ、学生・卒業生諸君に心から感謝します。