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開講部局:医学部・医学系研究科
高松純樹 教授
最終講義 - 出血、血栓また出血そして輸血後感染症
授業時間: | 2008年度退職記念講義 |
日時 : | 2009/3/5 16:00-17:00 |
場所 : | 医学部中央診療棟3階講堂 |
病気から学んだヒト生物学
生物としてのヒトが生きていくために、体内では数え切れないタンパク質が必要であり、また巧妙な仕組みによる生命維持システムも存在しています。出血を防ぐ凝固機構もこれら生体防御機構の一つです。血液が凝固する最終基質であるフィブリノゲンの分子異常(遺伝子異常)の患者さんとの出会いが私の人生を決め、羅針盤ともなりました。臨床医として多くの患者さんと出会うことができ、先天性出血性疾患、血栓性疾患の患者さんからいただいた貴重な試料による凝固系の分子異常の研究により、われわれヒトの凝固機構を担う多くのタンパクの構造と機能を知ることができました。基礎生物学者のような、生命は如何にして誕生し、進化してきたかという大命題に迫るような研究ではありませんでしたが、母なる地球が与えてくれた臨床医しかできない先天性疾患患者さんの診療を基礎とした研究を通して、ヒト生物学の一端を担うことができたのは望外の喜びでありました。これも患者さんを始め、諸先輩、共同研究者等多くの皆様のおかげでここまでこられたのであり、深く感謝申し上げます。