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本講義の目的およびねらい
遺伝子を使った実験を行いながら、遺伝子のことを深く理解するのが目的です。遺伝子のことを研究するのは分子生物学という学問ですが、遺伝子を小説に例えるなら、分子生物学の教科書は文法の教科書のようなもの。文法を知らずに小説は読めませんが、文法だけ勉強しても小説の面白さはわからないでしょう。この基礎セミナーでは、分子生物学の知識は最小限にして、遺伝子のナマの世界を見てみようと思います。
授業内容
1. はじめに
- オリエンテーションと講義「遺伝子とDNAの関係」
- 自己紹介プレゼンを作ろう。
2. 遺伝子を身近に感じてみよう
遺伝子やDNAのことをよく理解するために、DNAを使った基本的な実験をいくつかやってみます。「大腸菌を遺伝子組換えする実験」、「ブロッコリーからDNAを取り出す実験」、「PCR法で特定の遺伝子を検出する実験」を予定しています。
各実験の前には、どのような目的でどのような操作を行うのかを事前学習し、発表します。実験を行ったあとは、結果と考察をレポートにまとめるとともに、パワーポイントを用いて発表会(討論会)を行って、実験で何がわかったか、また、それをほかの人に理解してもらうためにはどのように工夫して説明したらよいか、を考えてみます。
3. 課題研究 〜遺伝子のことを掘り下げて理解しよう〜
- グループ分けし、各グループで相談して研究課題を決める。
- 課題を解決するにはどのような実験を行えばよいか、方法やその原理を調べる。
- 実験を行う。進捗状況を報告し、研究の進め方や方向性について討論する。
- 研究の成果を発表し、討論を行う。
- 研究の成果をレポートにまとめ、提出する。
課題は、前半で学習した「PCR法」を使って解決できるものを選ぶ予定です。教員やTAのアドバイスを受けながら実験を組み立て、実施します。発表会では、実験の内容やその結果をわかりやすく説明するにはどうしたらよいかを考え、工夫してみます。そして実験で明らかにしたことが産業や医療の現場ではどのように活用されているか、将来どのような応用が期待されているかを考えてみます。
履修条件
遺伝子に興味がある人で、実験が好きな人なら文系理系は関係ありません。中学・高校の 理科(生物)で「メンデルの法則」を習ったことがあれば予備知識としては十分です。
教科書
使用しない。
参考書
ブルーバックス DVD & 図解「見てわかるDNAのしくみ」JT生命誌研究館 工藤光子、中村桂子著 講談社 (2007)
スケジュール
回 | 講義内容 |
---|---|
1 | イントロダクション・図書館ガイダンス |
2 | 自己紹介・講義「遺伝子とDNAの基礎知識」 |
3 | 実験1の事前学習(発表会) |
4 | 実験1・懇親会 |
5 | 実験1のまとめ・講義「DNAの構造とDNAの複製」 |
6 | 実験2の事前学習(発表会) |
7 | 実験2 |
8 | 実験2・まとめ |
9 | 課題研究(計画・実験・データ整理・発表準備)(1) |
10 | 課題研究(計画・実験・データ整理・発表準備)(2) |
11 | 課題研究(計画・実験・データ整理・発表準備)(3) |
12 | 課題研究(計画・実験・データ整理・発表準備)(4) |
13 | 課題研究(計画・実験・データ整理・発表準備)(5) |
14 | 課題研究の発表会 |
15 | まとめ |
成績評価
実験や討論への参加 (40%)、発表 (30%)、レポート (30%)

最新年度の講義と内容が異なる可能性がありますのでご注意ください。