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開講部局:エコトピア科学研究所
古賀一男 教授
最終講義 - 行動科学の隘路を探る道具としての眼球運動研究
授業時間: | 2009年度退職記念講義 |
日時 : | 2010/3/12 16:00-17:30 |
場所 : | 工学部5号館521講義室 |
どこまでが研究でどこからが仕事か
前任地の京都から名古屋に転任したのが1978年でしたから30年以上を名古屋大学で過ごしたことになります。何事にも〈良いことばかり、悪いことだらけ〉ということはありませんが研究所にいたということは、どう考えても良いことが多かったとしか言いようがありません。研究所というところは極言すると〈ふんだんな時間〉と〈自由な決断〉を基本とした生活が可能なところです。教育の比重は極めて少なく、人にもよりますが会議にかける時間はかなりの程度自分自身でコントロールすることができます。残った時間は研究とそれを実行する為の研究費や資源を確保することと論文や原稿を書くだけの単純な構図でした。
この時〈研究〉を〈仕事〉と考えるかどうかは大きな問題です。研究は面白いのが身上で嫌な研究だとか強制されてやる研究なんていうのはちょっと考えにくいものです。しかし研究に付随する〈仕事〉というものはあります。科研の申請書作製や査読を含めた各種の審査などのサービス業務などがそれにあたりますが、これらは研究活動のインフラと言えます。面白いことには熱中することになりますが一日の時間の大部分をそれに当てると残りは緊張解消の為の何らかの作業(?)とあとは良質な睡眠になります。これも単純な構図です。結局、名古屋大学で過ごした時間は極めて単純かつ明快なものでした。このことについては「感謝」以外の言葉はありません。