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開講部局:多元数理科学研究科
三宅正武 教授
最終講義 - 「出会い そして 数学」−微分方程式のNewton図形をめぐって−
授業時間: | 2009年度退職記念講義 |
日時 : | 2010/3/17 16:15-17:15 |
場所 : | 理学部1号館509号室 |
恩師に感謝
私が45年前に入学した頃、グリーンベルト脇の楠木は直径が10センチ位で高さは3メートルほどであったが、今では、見違えるほどの大木になった。随分時間が経ったものだと思うばかりだ。私は、大学院で数学の勉強をしたいとの思いで理学部に入学したのだが、数学の研究者になれるなどと考えた事はなかったし、まさかここで定年を迎える事になるとは思いもよらなかった。
当時、1、2年次は教養部に所属した。学部毎にクラスはあったが担任制ではなく指導教官制であった。私は、数学の白尾恒吉先生に指導教官をお願いした。先生は180センチ程の長身で、柔道の有段者でもあり、授業はチョークが黒板の上でつぶれる程の迫力であった。こんなことで、授業中は少しも気が抜けなかったが、研究室を訪ねれば穏やかに対応してもらい、参考書を貸して頂いたりもした。学部に進級する頃に、先生のアドバイスもあって、今の研究とは随分違うが、シュワルツの超関数を用いた偏微分方程式の勉強を始めた。そんな事で、溝畑茂先生のもとで勉強をしたいと思い大学院は京都大学に進学した。これで名古屋大学とは縁が切れたと思っていたのだが、金沢大学、筑波大学を経て9年振りに教養部に舞い戻り、定年を迎えるまで居てしまった。研究のきっかけを与えて頂いた白尾、溝畑両先生をはじめ、数学する事の楽しさ・苦しさを教えて頂いた多くの先生方に、ここまでこられたことに感謝したいと思う。