




開講部局:法学部・法学研究科
田高寛貴 教授
民法 II
授業時間: | 2005年度前期 |
対象者: | 法学部2年生以上 4単位、週1回全15回 |
授業の概要
本講義は、民法第2編に規定されている物権を扱うものである。物を所有・支配する、取引により物を流通させる、担保により債権回収の実をあげる等、物権法の規律する法理は経済活動の根幹をなすものであり、古くから学説・判例が緻密な理論を積み重ねてきた。加えて近時は、区分所有法や担保法の改正等、この領域でも社会の複雑化・多様化にあわせ、新たな動きが種々みられる。この講義を通じて、経済秩序の基底にあるものを理解し、取引社会の「いま」を実感し、また法的思考の養成に努めてもらいたい。
講義はまず、第1部として、物権とは何か、どのような物権があるか等、物権法の基礎、全体像をひととおり概観し、第2部で総論としての物権変動論を検討する。
講義の後半、第3部として扱う担保物権に関しては、バブル崩壊をも受けて、最近新たな判例が続々と登場しており、大規模な法改正もなされた(2004年4月、2005年3月、2005年10月と、目白押しである)。金融取引において重要な役割を担っている担保法に今何がおこっているのか、担保法の直面する問題についても、詳細に扱うこととしたい。
授業の工夫
民法は、世の中の紛争を解決するという「実学」としての存在意義をもっている。 そのため、この授業では、いまとりあげている制度や学説・判例の状況が、 社会でどのような意味をもっているかを十分に理解してもらえるよう、具体的な紛争のケースを 多用する(本HPの「課題」欄を参照のこと)。また、物権あるいは担保物権に関しては、 近時さまざまな制度改正や社会問題が生じていることから、新聞等のニュースも素材とし、 「社会のなかの法」という視点も提示することとしたい。
また、時間的な制約はあるものの、可能な限り双方向型の授業を取り入れ、「自ら 問題を考える」姿勢の涵養にも努めたいと考えている。

最新年度の講義と内容が異なる可能性がありますのでご注意ください。