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講義ノート
黒板に書かれた三つの図(図1)。左の図は、結び目ができる“かた結び”を、真ん中の図はほどけて一本の紐に戻る“蝶結び”を図示しています。(閉じたひものように見えますが、結び目の図は右の図にあるようにひもの両端を持つひとを省略して描かれています。)
紐を使わずにこの二つを区別するにはどうしたらよいでしょうか?
数学では、例えば次の定理を使ってこの二つを区別します。
定理:「次の色分けのルールに従って色を塗り分けた時、ほどける結び目の図は1色しか使えない」
色分けのルール:使う色は三色。「結び目」図で線が交わるところは、(1)三色で塗り分けるか、(2)一色だけで塗るかのどちらかにしなければならない。
この定理を証明するには、大学で何年も勉強する必要があります。ここでは証明は省略し、実際に塗り分けてみることにしましょう。すでに図1にあるように、かた結びの方は三色で塗り分けられますが、蝶結びの方は一色でしか塗れません。数学を使えば、この二つの結び目の一方がほどけ、もう一方はほどけないということがよく分かるようになりました。しかし、他の結び目もこの定理ですべて分類できるかというと、残念ながらこの定理は万能ではありません。例えば図2の結び目は、ほどけないことが分かっていますが、一色でしか塗れません。
結び目理論は、トポロジー(位相幾何学)という分野の中に含まれています。トポロジーでは、○や□を同じものと考えるような不思議な世界が研究の対象となっています。
- 図1 (PDF 文書, 965KB)
- 図2:ほどけないが1色しか使えない結び目 (PDF 文書, 4517KB)

最終更新日:2010年01月29日
最終更新日の時点の講義内容で公開を行っております。
最新年度の講義と内容が異なる可能性がありますのでご注意ください。
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