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平成24年度 名古屋大学ラジオ放送公開講座
名古屋大学リレーセミナー 「危機に立ち向かう英知—解決への展望—」
安心できる社会を構築しようと人類は努力をしてきました。しかし、2011年3月に発生した東日本大震災は、大地震や津波による未曾有の被害をもたらしました。さらに、原子力発電所の事故による放射能汚染は、現在も、社会に深刻な影響を与えています。こうした時に、市民の間で不安が高まるのは自然です。恐れるべきことには恐れた上で、きちんとした対応が必要です。その一方で、根拠のないデマに基づく過剰な反応が、社会の一層の混乱を招くことは避けなければなりません。震災直後から、名古屋大学をはじめ科学コミュニティは、様々な形で、正しい科学的知識を提供し、市民の皆さんと問題を共有するように努力してきました。
東日本大震災や原発問題は、私たちの社会が抱えてきた様々な問題を顕在化させました。たとえば、大規模災害からの生活再建にどのような支援が必要なのか、次の大地震にどのように備えたら良いのか、これからの日本社会はエネルギーをどのようにまかなっていくのか、高齢化の進んでいる地域経済を再生することは可能なのか、復興のための財源をいかに確保するのか、被災者の心のケアをどう進めるべきなのか、など様々な問題の解決が必要です。一方で、困難に際しての被災者の団結や、日本中から集まったボランティアや支援といった日本社会の良さも感じられました。
残念ながら、現在の科学者が持っている知識で、あらゆることに明確な展望を指し示せるわけではありません。しかし、名古屋大学の各研究者は、それぞれの分野でこうした危機に立ち向かうために、研究を続けています。本講座では、そうした研究活動の一端を市民の皆さんに知っていただき、さらには、直面している危機に共に立ち向かっていく機会にできればと考えています。
開講日程 | 講演題目 | 所属 氏名 |
---|---|---|
第1回 7月1日(日) | 森林域における放射能汚染の現状と課題—植物を用いた除染の可能性— | 生命農学研究科 竹中千里 教授 |
「名古屋大学創薬科学研究科のご案内」 | 創薬科学研究科 松下裕秀 研究科長 | |
第2回 7月8日(日) | 耐震技術の進歩と課題 | 減災連携研究センター 護雅史 准教授 |
「創設70周年を迎えた理学研究科と新しい大学院プログラム」 | 理学研究科 篠原久典 研究科長 | |
第3回 7月15日(日) | 日本語のわからない外国人など情報弱者への防災情報 | 情報科学研究科 宮尾克 教授 |
「名大の授業」 | 理事・副総長(教育・情報関係担当)教養教育院長・情報連携統括本部長 工学研究科工学博士 山本一良 教授 | |
第4回 7月22日(日) | 救急・災害医療の現状と未来〜救急医療安定化を目指した解決への展望〜 | 医学系研究科 松田直之 教授 |
「どこに相談してよいか分からない健康問題の相談窓口」 | 医学系研究科総合診療医学講座 伴信太郎 教授 | |
第5回 7月29日(日) | 地震の予測とその現状 | 環境学研究科 山岡耕春 教授 |
「がんプロ(がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン)とは」 | 医学系研究科化学療法学 医学博士 満間綾子 特任講師 | |
第6回 8月5日(日) | 南海トラフ巨大地震・津波に備えて | 工学研究科 川崎浩司 准教授 |
「テクノ・フェア名大2012『未来を明日に近づける技術』」 | 工学研究科工学博士 新美智秀 副研究科長・教授 | |
第7回 8月12日(日) | 電力の供給体制と日本経済の進路 | 経済学研究科 根本二郎 教授 |
「法学部におけるキャンパス・アジア『日中韓のトライアングル交流事業』の取組み—今、アジアが、熱い!—」 | 法学部 キャンパスアジア 特任講師 李正吉 教授/藩芳芳 特任助教授 | |
第8回 8月19日(日) | 濃尾震災と犠牲者追悼 | 文学研究科 羽賀祥二 教授 |
「国際開発研究科 —世界への扉—」 | 国際開発研究科 カンピラパーブ スネート 講師 | |
第9回 8月26日(日) | リスクについて考える:千年に一度とは | 多元数理科学研究科 大平徹 教授 |
「エコトピア科学研究所って何?」 | エコトピア科学研究所 所長 田中信夫 教授 | |
第10回 9月2日(日) | 危機への心理的対応〜事後ケアから未然防止へ〜 | 教育発達科学研究科 窪田由紀 教授 |
「第8回名古屋大学ホームカミングデイの開催について」 | 理事・副総長 杉山寛行 教授 | |